8月17日、福島市・コラッセ福島において、JR総連東北地域協議会は「『謀略の夏・松川事件から60年』えん罪NO!改憲NO!日本労働運動の再生を目指す8.17集会」を300名が結集し開催しました。
集会の前段では、JR東労組松川塾生のガイドの案内で現地踏査し、事件の歴史的な背景と概況を学ぶと共に、被告とされた20名の無罪を勝ち取るために全国に拡がった運動の教訓を学びました。
また、現地に立てられた『松川の塔』『殉難之碑』やJR東労組が松川事件50周年に建立した『松川事件50年碑』などを見学し、それぞれに込められた思いの説明を聞きました。そして、『殉難之碑』では事故の犠牲になった3名の機関車乗務員のご冥福を祈り、全員で黙祷を捧げました。
集会は、来賓で参加した伊部福島大学名誉教授、飯沼「JR浦和電車区事件を支援する会」事務局長、美世志会梁次さんよりあいさつを受けました。伊部名誉教授は「事実を正確に捉えないと真実は見えない」と権力発表やマスコミ発表に頼るのではなく、自分達で真実を掴むための調査が必要であると教訓を訴えました。また、松川事件の弁護団を務めた後藤弁護士のメッセージを披露しました。
記念講演で松崎元顧問は「国家テロとしての松川、三鷹、下山事件と労働運動」と題して「世界的に歴史的に事件に呼応する潮流がつくられる。国家の意志に基づいた潮流との闘い無しに勝利できない。戦前の悲劇を繰り返さないためには、全ての権力と闘う人達と連帯して、『JR浦和電車区事件』『蒲郡駅事件』に勝利し、民主主義の原点を勝ち取る端緒を今の時期に創ろう」と提起しました。
最後にJR総連東北地方協議会氏家議長の団結がんばろーで終了しました。
『松川の塔』の碑文には、「・・・この官憲の理不尽な暴圧に対して俄然人民は怒りを勃発し、階層を越え、思想を越え、真実と正義のために結束し、全国津々浦々に至るまで、松川被告を救えという運動に起ち上がったのである。この人民結束の規模の大きさは、日本ばかりではなく世界の歴史に未曾有のことであった。救援は海外からも寄せられた」と裁判闘争を勝利に導いた教訓が刻まれている。しかし、現在その教訓は活かされていない。