反弾圧のたたかい

第38回公判報告

八ツ田さんの被告人質問終了!
事実にもとづかない「起訴状」であることが判明!
- 検察側は何を立証しようとしたのか!? -

 10月13日、午前10時よりJR浦和電車区事件第38回公判が東京地方裁判所第104号法廷で開催されました。
今回の公判では、前回に引き続いて八ツ田さんに対する検察側反対質問と弁護側最終質問が行われました。
今回の公判からこれまで2名体制であった検察官が3名体制に変更になるなど、検察側ストーリーの立証が不明確なことに対する焦りが強くあると傍聴者から囁かれました。
検察側質問は、分会内で行った各種会議・話し合いがすべて「共謀行為の場」であると決めつけるものでした。検察官は、それらの場に八ツ田さんが参加していると捉え、極めて恣意的な質問を繰り返しました。
ところが真実は検察官が提出した証拠の中に潜んでいたのです。特に「八ツ田さんの手帳」を見れば「会議に参加していない」ことは一目瞭然です。 そのことを検察官は無視し、事実をねつ造するために質問が行われました。 しかし、八ツ田さんは検察官の「愚問」に対しても真摯に、誠実に返答し、無実であることを明らかにしてきました。

 ところで第38回公判で美世志会5名の主・反質問が終了し、公判は最終局面に突入しました。この段階で検察官が作成した起訴状・冒頭陳述書に記述した「犯行」を立証することが不可能になってきています。今回の八ツ田さんの質問でも明らかになったように起訴状などの記述そのものが事実とは大きくかけ離れていたことを白日の下にさらけ出す結果となりました。公訴権(起訴する権限を持っている)をもっているとは言え、Y君の一方的な供述を利用し、詳細な調査もせずに事実とは違う状況を羅列し、作成した起訴状・冒頭陳述書でしかありません。つまり、事実をねじ曲げなければ「事件」として成立しないことを意味しているのです。7名の無罪は明らかです。
今後とも皆さん方からのご支援を受け、さらに奮闘していきますので、よろしくお願いいたします。

「記憶にない」に対してもしつこく質問を繰り返す検察官

検察官 → 平成13年3月23日の闘争委員会には出席しているか。
八ツ田 → 記憶にない。
検察官 → 勤務は公休となっているが出た記憶はあるか。
八ツ田 → わからない。
検察官 → 当時の会議資料を見ればわかるか。
八ツ田 → わからない。
検察官 → 会議の議事録を見ればどうか。
八ツ田 → わからない。

 このような質問は、この場面に限らず「記憶にない」と供述しても、しつこく繰り返されました。明らかに検察官の公判引き延ばし以外に考えられません。
その後行われた、弁護側最終質問において、逮捕された当時に押収された「八ツ田さんの手帳」の記述により、この日は子供の卒業式のため会議には出席していないことが明らかにされました。このように検察官は「休みだから会議に出ていたはず…」と決めつけ無意味な質問が繰り返されたのです。 検察官は「手帳の記述」を見て(?)いながらも、検察ストーリーに反する記述であることから意識的に除外しなければならない苦しい姿も明らかになりました。

他の人の認識を尋ねる異常な検察官

検察官 → 当時、組合の機関誌に投稿された論文は読んだのか。
八ツ田 → 目は通したと思う。
検察官 → 当時の状況と比べて一致したものか。
八ツ田 → 若干の食い違いはある。
検察官 → 今、考えてみて筆者は何故そのようなことを書いたと考えるか。
八ツ田 → (筆者本人ではないので)答えようがない。

 本人が作成した論文であれば主旨など明らかにできますが、文章は目を通しただけで熟読したわけでもありません。検察官は、人の認識を聞くなど答えようのない、質問の主旨が明確ではない異常な質問を行っていました。このことからも責めあぐねている検察側の状況がはっきりと見て取れます。

 検察官はこれらの他にも、2002年11月1日の逮捕から3年近く経過している現在に至ってもJR職場の実態さえつかんでいないことを自己暴露したり、Y君の勤務関係の話し合いについても謀議をしたと描こうとするなど、7名を犯罪者に仕立て上げるために躍起になっていました。
起訴状では「俺は革マルだぞ」と脅したと記述されています。しかし、大澗さんも証言しているように事実はO氏の脅し(キャンプの事実経過などについて嘘をつけ。つかなければ殴る。殺すなど)に異常な程怯えていたY君に対して「俺たちは革マルといわれている(証拠物に明記されている)。(Oの脅しなんかに)びくびくするな」「組合だって守るはずだ」と落ち着かせ、勇気づけさせようと声をかけたのです。そのことが脅迫したようにねつ造されているのです。そして、この間の被告人質問によって事実が明らかになり、検察側はこの脅迫を立証することはできなくなっているのです。間違いなくこの「事件」は権力によって仕組まれた「えん罪事件」だということです。

 「平和・人権・民主主義」を守り抜くためにも、世の中に存在する多くのえん罪事件や弾圧に対して、その意図をしっかりと見抜く目を持ち、支援・連帯の輪をさらに拡げていきましょう。
これからもご支援よろしくお願いいたします。

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