反弾圧のたたかい

第34回公判報告

大澗さんに対する検察側反対質問が行われる!

 6月30日、東京地方裁判所において「JR浦和電車区事件」第34回公判が104号法廷で行われました。
今回の公判は、前回の大澗さんに対する弁護側主質問の続きを約1時間程度行い、続いて検察側より反対質問が行われました。

弁護側主質問の特徴点は次のとおりです。

Y君の証言に基づいた現場見取り図のまちがいを指摘!

 検察側から出されている「証拠」の中に、Y君の供述により、警察が作成した現場見取り図があります。

 この現場見取り図に対し大澗さんは、

  • 記入されている大澗さんをはじめとした数人が立っていた位置が違う。
  • Y君の供述ではその時にいなかった人まで記入されている。

など事実と食い違っている見取り図であることを証言しました。

 当時いなかった人まで「犯人」に仕立て上げようとする警察・検察とY君の供述との違いも露呈し、Y君の供述の信用性が疑われる事態ともなりました。
このことからも、Y君の供述を一方的に受けた警察は、都合のいいように見取り図を作成し、事件性を大きくアピールしているようでした。

さらにY君が作成したとされる文書の不自然性も指摘!

 Y君が警察に任意提出したとされている「これまでの経緯」という文書は、2000年12月から翌年の3月までの「出来事」が記載されています。
この文書は、Y君が作成したとされていますが、社員とは思えない表現の記載が多くあり、非常に不自然です。

 この文書に対し大澗さんは、

  • 「掲示室」とあるのは、社員であれば「達示室」と記入する。
  • 「小さい・大きい休憩室」とは言わない。小さい休憩室とは「北行詰所」、大きい休憩室とは「南行詰所」と表現する。
  • 「齊藤役員」という言い方もおかしい。「分会役員または組合役員の齊藤」と普通言うと思う。
  • 「オオマ組合員」となっており、私だけカタカナなのも不自然。「組合員大澗」というのが一般的である。

と、指摘しました。
不自然な点が多く、Y君が使わないような言葉遣いがあることからも、Y君が作成したものかさえ疑わしい文書であることを明らかにしました。

不当な取り調べの内実を明らかに!

 弁護側質問の最後に、警察官・検察官による取調べの内容を明らかにし、7名が逮捕された「事件」の本質が、取調べの中で述べられていたことも明らかになりました。

弁護士 → 取り調べの中で印象に残っている、あるいは記憶に残っているものはあるか。
大 澗 → Y君との関係以外のことを聞いてきた。
弁護士 → 具体的には?
大 澗 → JR東労組の指示系統や国鉄当時の組合の状況、さらには、革マル派の講義のようなことをいっていた。
弁護士 → 逮捕の目的などについては何かいっていたか。
大 澗 → 「JR東労組は内部から変えられないので外部から国家権力が介入するんだ」といっていた。
弁護士 → JR東労組はどのような特徴を持っている団体だといっていたか。
大 澗 → 検察官は、「東労組は革マル派に牛耳られている、革マル菌が蔓延している」といっていた。
弁護士 → 身柄について何かいっていたか。
大 澗 → 「黙秘していると保釈されない、裁判闘争をやると10年は出られない」などといっていた。

 このように、Y君との関係などほとんど訊くことなく、『JR東労組=革マル派』
と描こうとしていたこと、また、容疑者の当然の権利である黙秘権を否定し、やってもいないことを自白させるために「保釈されない」などの一種の脅迫ともいえる取調べがあったことが明らかにされました。
私たちがこれまで主張してきたように不当逮捕の現実や、不当な取調べによる自白の強要など、その異常性が浮き彫りになりました。

続いて検察官による反対質問が行われました。要旨は、次のとおりです。

どうしても大澗さんを会議に出席させたがっている検察官!

 分会で行った役員を集めての会議(執行委員会・闘争委員会・拡大闘争委員会)に、大澗さんが参加した可能性について質問をしていました。
検察官 → 拡大闘争委員会というのは、広い意味だから執行委員会以外の人でも参加しようと思えば参加できるのか。

大 澗 → 役員という肩書きがあれば参加できる。
検察官 → 組合員は参加したいといっても参加できないのか。
大 澗 → 形式的には参加できない。
検察官 → 実質的には?
大 澗 → 実質的にも参加資格がないと参加できない。(大澗さんは、一般組合員であり、参加資格はない)

 検察官作成の起訴状・冒頭陳述書に記載されている「共謀した」ことを立証することを目的にしていたようですが、実際の会議には「役員以外の組合員は参加しない」のです。
検察側は、「会議に参加した」とさせるために、大澗さんがシニア会のメンバーであることをもって参加資格があるように主張していましたが、分会内には、20歳代はヤング、30歳~40歳代はミドル、それ以上はシニアという一定の区切りがあるだけで、役員ではありません。
検察側は、会議にどうしても大澗さんが出席していたことにしなければ「共謀」が立証できないために、むりやりこじつけようとしています。

分会役員と大澗さんは、常に密着し、論議していたと描こうとする検察官!

 大澗さんは、以前分会の役員を担っていたことをもって、現執行委員とのパイプも太く、役員との意思疎通も常に行っていたかのようにも描こうとしていました。それは、Y君との話し合いの結果を役員ではない大澗さんに伝えたのは誰かを執拗に質問したことにも表れていました。また、会議の論議内容を聞いていないか、など、分会の取り組みのすべてを報告・連絡したように描こうとしていたのです。さらには、大澗さんが考えていたことを分会役員や他の組合員に伝えたかなど、一般組合員が日常にY君の問題やグリーンユニオンからの組織破壊攻撃について論議を深めているかのように描こうとしていました。
分会の具体的な取り組みや意思統一する必要が発生した時に職場集会や個別総対話行動などが行われますが、一般の組合員はその他の時間では組合の話などほとんどしないのが実態です。
ようするに検察側は、大澗さんがY君の更正に向けた話し合いを、分会の指示、または、了解を得て行っていた(=共謀に基づいて)と立証したいようでした。
このような事実さえねじ曲げ、JR東労組の組合員は常に組合の話を最優先する異常な組織であるかのように質問を行っていました。
また、これまでと同じく組合員の個人的な意見が分会全体の意見であるかのように映し出そうとしていましたが、事実は全く違うことから、大澗さんは検察側ストーリーを否定しました。

 以上のように、これまで行われた検察側による被告人質問と同じように、事実と違うストーリーを完成させようと躍起になっていましたが、大澗さんを含め、この間の被告人質問によって検察側のこじつけや恣意的なストーリーを打ち砕いてきました。

 これまでと同様に、真実を述べ、事実を語ることで完全無罪の道を確実なものにすることができます。
皆さんのご支援を得ながら、さらに頑張っていきます。

これからもご支援をよろしくお願いいたします。

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