10月13日、「JR浦和電車区事件」第24回公判が行われました。
今回の公判から「被告人質問」が開始され、7名の無実を証明するための重要な公判が続くことになります。
今回は、当時JR東労組浦和電車区分会の執行委員長(分会長)であった上原さんが弁護側の「被告人質問」に立ち、証言台で当時の様子を具体的に述べ、真実がより鮮明になりました。
「被告人質問」は、午前10時の開廷から昼食休憩などをはさみ、合計4時間30分ほど行われ、午後4時過ぎに閉廷しました。
今回質問に答えた上原さんは、当時分会長であると同時に、被害者とされているY君が運転士見習の時の指導運転士(教導)であり、Y君とは4ヶ月以上にわたり常に一緒に仕事をしていた関係にもあり、当時のY君の心情なども的確に感じることができる立場にありました。
上原さんは、Y君の証言を含め、検察側証人の証言について事実と異なることを明らかにし、さらに、警察官作成の現場見取り図の意図的とも感じられる間違いや検察官が作成した「冒頭陳述書」のでたらめを指摘しました。
また、質問の最後に裁判長に対して、この事件がえん罪であることや、逮捕・長期勾留のつらさを訴えるとともに、7名全員が無罪であることを強く訴えました。
次回は検察側の質問が行われますが、しっかりと真実を述べ、完全無罪へ向けてこれからも頑張ります。
※「教導」とは・・・運転士になるためには、様々な研修・教育が行われますが、運転士見習と約6ヶ月一緒に乗務して、運転技術を教える(指導)運転士のことを業界用語(俗称)で「教導」とも呼んでいます。
正式には、JR東日本内部において「運転士見習技術指導担当」 という担務が期間中に指定されます。
質問の特徴点は以下のとおりです。(要約)
□Y君の人間性について赤裸々に証言
弁護士 → 教導期間中のY君の態度はどうだったか。
上 原 → 食事をごちそうしたとき、「これで組合に取り込んだと思わないで下さい」と言われたことがあった。
組合の話の時に「いつか上原さんとぶつかることがありそうですね」と言っていた。
Y君の前職場での「労働組合の活動に非協力的であった」という状況を知っていながらもこれまでY君に黙っていたことについて、信頼関係を作ろうと考え、謝罪したが、Y君は「はじめから上原さんを信用していなかったから裏切られたとは思わない」と言った。
□警察作成の現場見取り図の間違いを指摘
弁護士 → 証拠に提出されている講習室の見取り図は正確か。
上 原 → (Y君の証言によれば職場集会のとき入り口から一番遠いとされている)Y君の座ったすぐ左側には出入り口がある。ところが警察の図面では抜けている。
☆証拠として提出されている「正確を要する図面」には、最も重要なY君の近くにあった出入り口が抜けていることが判明しました。
□察官作成の「起訴状」や「冒頭陳述書」は、事件を仕立て上げたことが明らかになった!
弁護士 → Y君は職場集会などへ「強制的に参加させられた」と述べていたが、事実はどうだったか。
上 原 → 事実は、全組合員を裏切ったことに対してY君が「謝罪・反省・今後の決意を明らかにしたい」と言ったので、1月の集会は開催された。また、Y君の嘘が明らかになって以降、2月の集会などでは「グリーンユニオンと関係がなかったことを理解してほしい」とY君からの申し出があり、これらの集会を含め、自らの意思で参加した。弁護士 →Y君が2月28日に「脱退届」を書いた後、「つるし上げ」を避けるために3月1日から4日まで勤務を休んだと検察側の「冒頭陳述書」にあるがどうか。
上 原 → 3月3・4日は通常の休みであり、1日・2日の有給休暇は前月の2月20日以前に申し込んだものであり、2月28日の状況で休んだものではない。電車区にはその証拠もある。よって、検察側の主張は間違っている。☆検察側「冒頭陳述書」の内容も事実に基づいていないことが明ら かになり、事件を仕立て上げようとしている意図が感じられました。
□いわれなき罪状に対する憤りを訴える
弁護士 → 今回の事件に対して何か感じていることはないか。
上 原 → いわれなき罪状によって逮捕・長期勾留された。子供の入退院が繰り返されていたが父親として何もしてやれなかった。本当に悔しい。検察側は言葉のみを切り貼りして私たちを極悪人に仕立て上げようとしている。私たち7名は無罪である。JR連合は問題となっているキャンプを「個人的なもの」と主張するが、毎回の公判傍聴券の獲得のためにJR連合組合員は100名以上並んでおり、このことからもこの問題が組織的であったことを自らが証明している。検察側証人としてのJR連合A氏は、証言が終わったあと、JR連合組合員に対しにガッツポーズをしていたという。まさに私たちを陥れるために証言したことは明らかである。今回の「事件」は、JR東労組を破壊するための攻撃である。
と、以上のように述べました。
第22回・第23回公判の中では「公判手続きの更新」を行う中で、この「事件」がいかに仕立て上げられたものであるかを明らかにしてきました。そして、今回の「被告人質問」により、検察側証言・証拠の多くを真実により覆すことができ、7名の無実をさらに明らかにしてきました。
今後も、引き続き行われる「被告人質問」によって、完全無罪の道は確実に近づいてきます。
検察側からの悪意を持った反対質問も予想されますが、皆さんからのご支援・激励を受けて、完全無罪に向けて全力で取り組んでいきます。
今後とも、ご支援・ご指導をよろしくお願いします。