反弾圧のたたかい

第17回公判報告

 今回の公判は、当時浦和電車区分会書記長であった弁護側証人I氏に対する検察側の反対尋問が行われました。
 I証人は反対尋問に対し、「強要罪」などなかった当時の状況を述べました。
しかし、検察側はJR東労組や浦和電車区分会の取り組みを「一般的な組合活動ではない」と決めつけ、職場の当たり前の組合活動を否定するような尋問を行いました。
 また、尋問を行った検察官は感情的に「それがわからない!」「ちょっと聞いてくれ!」などと声を荒げる場面もたびたびあり、立証に対しての焦りが感じられました。

反対尋問での特徴点は次のとおりです。(要約)

□Y君が他の組合役員とのキャンプに参加したことについて

検察官 → 東労組は一般的に他労組組合員とのキャンプなどを禁止しているのか。
証 人 → 一般的なつきあいは禁止していない。Y君がグリーンユニオンに利用されることを危惧した対応であった。

□Y君がJR東労組の取り組み全てを否定する発言をしたことに対して

検察官 → (被害者とされる)Yが「国鉄改革を知らない」と言ったことがなぜ問題となるのか。
証 人 → 純粋に「知らない」というのなら丁寧に教えるが、事実は「関係ない」と発言した。このことは東労組が苦労して担った国鉄改革の取り組み全てを否定したことになる。

□今回の「事件」がえん罪であるという主張に対して

検察官 → この「事件」に対して、不当だというなら、なぜ『これこれだ』と自分から公安警察に出向き話をしないのか。
証 人 → 7名の逮捕以前に何ら事情聴取をすることなく、いきなり家宅捜索を強行している。

□7名の逮捕の後、公安警察による組合員宅への聞き込みについて

検察官 → 公安警察の捜査に対して、「話をするな」と指示したことはあるか。
証 人 → ない。任意の対応である。

『嘘つきは○○のはじまり』を証明する検察官

グリーンユニオン幹部A氏がY君に「分会に対して虚偽の報告」をするよう指示したことについても検察官は、一般的に「アドバイスをした」として「何の問題があるのか」と開き直ったかのように『嘘』を正当化させようとしていました。
本来ならば嘘を正すべき検察官が、「嘘をついたこと」を正当化する姿からは、公正な司法はうかがえませんでした。
また、当時Y君が「組合を脱退する」と繰り返し述べた直後、一転し「脱退は撤回する」と電話連絡してきたことに対して、その真意を確認するための話し合いについても、検察官は「脱退を撤回したのに何故話し合いをするのか」と質問していました。
それに対し弁護士からは、たとえ話として「『離婚する。離婚する。』と繰り返し発言し、双方で合意をしてきた中で『離婚は撤回する』となれば、何故離婚を撤回するのかと事情を確認するだろう。それと同じではないか」と逆に話し合いの正当性がアピールされました。

組織を守る取り組みは正当な行為です

 検察側はJR東労組が一個人に対して追及を行ったと証明することに躍起になっています。
しかし、当時のJR内の状況は「JR東日本の民主化」と称して、グリーンユニオンがJR東労組への組織的な介入を強化していた時期であり、実際にグリーンユニオンからJR東労組組合員宅へJR東労組を批判する文書が郵送されたり、若手を言葉巧みにJR連合(JRグリーンユニオン加盟組織)の集会等へ参加させるなど、具体的な組織的介入がかけられていた時期なのです。
今回の検察側の反対尋問は、JR東労組が組織を守るための取り組みを行っていた状況をすべて投げ捨て、単なる一般論として「グリーンユニオン役員とのキャンプに参加したY君を問題にした東労組は異常」という構図を創り上げようとしているのです。

真実はひとつ 完全無罪に向けて

 検察官は落ち着きがなく、時には感情的になる姿からは検察側立証の矛盾を自らが証明しているように見えました。
私たちがこれまで主張してきたように、当時の真実が明らかにされれば、労働組合の正当な組合活動であったことが証明され、同時に7名の完全無罪を手にすることができます。
今後も、真実と無実を明らかにする弁護側の証人尋問は続きます。
労働組合は組合員と家族の利益を守るために存在するのです。これからも組合員の立場に立って、子供たちの未来へ平和な社会を残すためにがんばります。
これまで以上の皆さん方のご支援をよろしくお願いいたします。

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