8月5日~12日にかけて第42回国際運輸労連(ITF)会議がメキシコ・シティーで開催され、JR総連・JR東労組から7名が参加してきました。
ITF国際会議は1896年に設立され、以降4年に一度世界大会が開催されています。この会議には112ヶ国、368組合、1376人が参加しています。
今年の国際会議の最大の課題は、世界の多くの国々で、政府・司法当局が労働組合への弾圧に抗し、労働者のグローバルな連帯を強化するための議論してきました。もう一つは青年労働者の組織化と連帯を強化することです。総会前日には設立以降初めて青年総会が開催されました。その総会では、各国の青年労働者の活動状況が報告され相互に意見交換がされ、青年労働者の労働組合への組織化を推し進めることと、ITF活動を青年労働者が牽引していくことが確認されました。
5日から始まった総会では各国から労働者にかけられている弾圧の状況や闘いの報告がされました。全体会議の場でJR総連武井委員長が「弾圧や妨害に抗して第22回参議院選挙にたしろ かおるに勝利した」報告をしました。さらに2日目の路面運輸部会総会では本部の江川組織担当部長が「えん罪・JR浦和電車区事件の控訴審勝利に向けたたたかい」、JR総連山田国際部長が「世界の労働者への弾圧に抗し連帯をし、美世志会の上告審勝利と職場復帰を勝ちとる決意」が発言されました。3日目の鉄道部会総会では吉川書記長が「原因究明委員会を通じた安全確立の闘い」、4日目の都市交通総会では高橋組織研修担当部長が「駅における乗客からの暴力の現実と非正規労働者の正社員化に向けての取組み」について報告をしました。
総会の最終日にはJR総連からも動議を提出しました。しかし、JR連合は、JR総連が提出した動議に対して、修正動議を提出しましたが、取り下げました。よって、JR総連が提出した第49号動議はITFの今後4年間の活動方針に盛り込まれました。ITFとその加盟組織が弾圧を受けている各国の労働者・労働組合を支援し、労働組合権の行使が出来るよう、強力な組織とグローバルな連帯を構築し、維持、発展させるために闘うことが満場一致で確認され閉会しました。
資料1~JR総連が提出した49号動議
グローバルな連帯で労働組合権侵害に立ち向かう
グローバルな連帯で労働組合権侵害に立ち向かう
2010年8月5日から12日にメキシコ・メキシコティーで開催されたITF第42回大会は
1.世界の多くの国々で、政府・司法当局・資本家が労働組合権の正当な行使を、組合役員への暴行や殺害、事件のでっち上げによる組合員・役員の逮捕・勾留、不当解雇、組合施設の家宅捜索、組合財産の押収・差し押さえ、不当な判決、マスメディアや第2組合の利用など、あらゆる手段によって弾圧していることに抗議し、
2.これらの弾圧が、ITFとその加盟組織が権利のための闘いを強化しているにも関わらず、よりエスカレートしていることに留意し、
3.これらの弾圧が、世界の労働者が命がけで闘い取ってきた、労働組合の基本的諸権利、特に労働者の団結権に対する重大な侵害であることに留意し、
4.これらの弾圧が、企業のグローバルな戦略に基づく、労働者の生存権をも奪う、深刻な攻撃であることを認識し、
5.ITFとその加盟組織が、政府・司法当局による攻撃を受けている労働者・労働組合を支援し、彼らが労働組合権の行使ができるよう、強力な組織とグローバルな連帯を構築し、維持、発展させるために闘うことを求める。
資料2~JR総連が提出した49号動議修正提案:JR連合
1.第1項を削除し、以下と置き換える。
「労働組合権が確立されていない世界の国々で、政府・資本家が労働組合権の正当な行使を、組合役員への暴行や殺害など、あらゆる手段によって弾圧していることに抗議し、」