高橋国際部長は、国際運輸労連(ITF)視察団の一員としてタイ国鉄労組の要請で1月11~15日、タイを訪問しました。
視察団の目的は、昨年10月5日に発生した脱線死亡事故に対し、安全を求めてたたかったタイ国鉄労組役員6人の解雇は不当であることと、タイ国鉄の安全基準が守られているのかを調査し、ITFとしての見解を出すことです。
視察団は現場組合員から話を聞き、タイ国鉄経営幹部、ILO、タイ政府労働大臣と会談し、復職と安全について要請を行い「見解」を公にしました。
この脱線事故は、運転士の居眠りによる速度超過が直接的原因ですが、タイ国鉄労組の調査によって、月に1回しか休みが取れない運転士の劣悪な労働条件・要員不足と、機関車の安全装置(EB装置と同じ機能)故障が原因であり、故障したまま運行を続けていた国鉄当局にも責任があることが明らかになっています。
解雇された6人は、国鉄経営者に対して安全基準を守ること、要員を増やすことを要求して闘ってきました。しかし、国鉄当局は「運転士の人為的ミス」とし、列車を止めた6人を不当解雇しました。
視察団の各方面への要請で政労使三者委員会は「5対4」で6人の復職を決定しました。タイ国鉄労組は昨年事故発生から安全確立の闘いを提起し、ハッチャイ支部の組合員は家族を含め団結して闘ってきました。この闘いが解雇撤回につながりました。熱い国の熱いたたかい、6人の復職者を含むタイ国鉄労組と国際連帯の勝利を喜びあいました。