安全への挑戦

みんなが支え合い
働きやすい営業職場をつくろう


2012年2月23日、東十条駅社員が北口改札外で、トラブルとなった男性乗客に対して約20分間土下座をしてしまう事象が発生しました。 
当日、当該組合員は、日勤で特に業務が指定されていなかったため、FG対策を支社・地区指導センターと一緒に行う事となり、駅長・助役・地区指・支社で前段の打ち合わせを行い、北口(委託改札)で旅客案内に特化して行うとしました。
北口改札で旅客の案内が終了する10分前に、30歳代の男性が自動改札で止められ、改札窓口に行きチャージが足りないと言われ、自動精算機でチャージをしました。その後、その乗客は、自動改札を通らず、窓口改札を強引に突破したのです。そのため、乗客を支社社員と3人で止め、その男性に凄まれながらも説明しました。そして、支社社員が男性からカードを受け取り、北口改札へ行き、確認作業をおこないました。この時にカードを北口改札の委託社員と確認し、正常な状態に処理をしてしまいました。そして、カードを返却した後、その男性から「問題ないのだろう」と言われ、支社社員が「カードは正常に精算したので問題ないです」と答えました。
それをきっかけに、男性は、地区指社員の足を踏みつけ、その行為を注意した社員に向かってきました。その男性からは「問題ないのに不正扱いとはどういう事だ」「複数で俺のところに来て不正扱いか」「不正でないのに止めたんだから間違いなんだろ」「誠意をもった対応をして下さいよ」と言われ、ひたすら頭を下げ謝り続けました。しかし、その男性は納得せず「お辞儀ですか、誠意をもった謝罪というものを見せてもらいたい」と繰り返し、膠着状態になり、この場を誰も収めることなく時間が過ぎたため、この場を収めるために駅社員が警察が来るまで約20分間「土下座」をするという事象です。

社員を守らない企業風土

 その後内勤室に戻り、駅長から労いの言葉はありましたが「あの場に行ってもいかなくても変わらないから行かなかった」と言われました。
社員が「土下座」しても、支社・地区指社員は、その行為を止めませんでした。さらには、駅長は、モニターを見ていて「どちらが悪いのか分からないから、駅から警察に通報したとはしない」と助役に命じたのです。社員が約20分間、冷たいコンクリートの床に座り、「土下座」をしていたのを知りながら、放置しています。
駅長は、事実を確認もせず「社員が悪いかも知れないから」と社員を疑っていたのです。その後、安全衛生委員会でも話し合いました。しかし、FG対策の問題点は出ましたが、社員が「土下座」したことに対しては何も触れられていません。管理責任について求めましたが、駅長からの謝罪はありません。

職場から問題点を解決する


 分会は、FG対策問題に対して3月に職場集会、4月には原因究明委員会を3回開催し、何が問題だったのかを議論しました。組合員からは、「FG対策を現場社員に押し付けた事が今回の問題を生んだ。この状態をつくった会社が悪い」「そもそも支社や地区指はFG対策をわかっているのか」「ただ現場に来るのでは、いつもと同じではないか」「支社は何で制服を着てこなかったのか」「足を踏んだ時点で警察を呼ぶべきだ」など意見が出されました。
これから更に具体的な問題を出し合い、本来のFG対策とはどうあるべきなのかを検証していきます。
今回の事象では、乗客とのトラブルが発生した時に、とりあえず謝ってその場で納めようとする「職場風土」が明らかになりました。また、それを当該職場だけに切り縮めて、問題の核心点や原因を明らかにせず「災難だった」「運が悪かった」「相手が悪かった」で終わらせている職場の風土もあります。そして、多くの場合は、「現場社員の対応や接遇が悪い」という社員の責任にして収めてきた営業職場の体質もあります。そのためトラブルがあった場合、多くの社員は、しかたなく泣き寝入りをしてきました。また、現場長や管理者がトラブルの対応に苦慮している姿を多くの組合員も見ています。そのため、謝って済むなら済ませてしまう。その場で処理しようとひたすら謝って終わりにすることもありました。

職場から企業風土を変えよう

これは、職場で発生した問題に対し、毅然とした対応を指導することなく、トラブルは「接遇の問題」と、当該社員に責任を転嫁し、問題を解決せず、ひたすら謝罪することを社員に指導している会社の姿勢にも問題があります。ましてや、今回の場合は足を踏まれた行為は暴力です。にもかかわらず現場を指導すべき支社や指導センター社員がその場で乗客を制止していません。駅長もモニターで見ていても何もしません。社員がトラブルに巻き込まれていたら、前面に立って乗客の対応をするのが、社員管理や指導すべき人たちの業務です。そのような当然のことができない社員や職場風土がつくられていることに危機を持たなければなりません。 今の会社は、社員を守らず、責任を全て現場で働く組合員に押し付けています。トラブルや問題は現場任せにして蚊帳の外で高みの見物をしていては、この会社は発展しません。現場で苦労している社員に思いを馳せて支社幹部や現場長は対策を立てるべきです。
営業職場の「謝る風土」からの脱却、そして自己保身や、己自身を優先し、問題をうやむやにしてしまう職場風土や企業風土を変えましょう。

FG(フェアー・ゴール)
出発地から目的地まで正しく切符を買ってもらうために支社や地区指の社員が職場に入り駅社員と共に乗客案内や対応行う。

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