安全への挑戦

工務大集会開催!800名が結集!
安全と技術継承を守ために俺たちの要求を実現しよう!

2010年10月16日・埼玉県川口市民会館に800名が結集

 集会は、設備21以降の要員不足、足ロスなど職場の現実を赤裸々に表現した寸劇で始まり、主催者挨拶で宮野部会長は「会社の提案内容では安全と技術継承ができるか疑問だ。現場に出て技術を身につける制度の確立とそのための要員確保を求めていこう」と結集した仲間に訴えました。
 村田中央執行副委員長は「見直し案実現に向けて共に闘う」と本部の決意を込めて挨拶、続いて八王子地本工務部会・原因究明委員会による「大月駅構内で発生した待避不良」の報告を受けました。その後、本部宮内業務担当部長から「設備21見直し『ゆずれない要求』実現にむけて」と題して、「設備21」施策の問題点と安全と技術継承を守るための要求を提起しました。
 今集会は、工務職場で働く若い仲間を中心に実行委員会を立ち上げ集会をつくり出してきました。今週会をスタートに職場で山積している問題点を職場要求に高め、地方交渉に反映させることと、未来の職場を創り出すために全組合員の団結で要求を実現することを確認し、組合歌を合唱し、宮野工務部会長の団結ガンバローで大成功に終了しました。

~本部提起~
設備21施策に立ち向かう
    安全で技術継承をできる工務職場を創造しよう
宮内業務担当部長

 2000年9月に「設備部門におけるメンテナンス体制の再構築」(設備21)の提案を受け、団体交渉で安全や技術継承、いわゆる足ロス問題など議論し、足ロスが発生しても一向に構わないことを会社と確認して施策を導入しました。

検証で明らかになった設備21の問題点

 施策実施後は一部の設備を覗くフィールド業務の大半がパートナー会社に移管されたことで、JRの業務は管理業務・デスクワークが中心となり、検査や作業が減少し現場に行くことが少なくなりました。そのため、若手組合員から「現場に行っても原因や良否の判断ができない」「現場に行けと言われても場所がわからない」など異常時、障害時の対応に不安という声が多く出されました。さらに、施策実施前の予想を遙かに超越した業務量の増大と退職者の増加により、若手を採用しても教育をする時間が取れず技術継承が出来ない状況に陥っています。
 「設備21」でJRは設備管理のプロと位置づけてきましたが、管理業務だけでは技術継承が出来ないことが明らになり、現場力の低下と技術継承不足に対する悲痛な叫びが多くの職場から出されました。
 また、事故の連鎖が止まらないなかで、パートナー会社の10日間連続勤務(その内8日間の夜間作業の実態)など劣悪な労働環境や機械の貸与のあり方、安全管理の問題なども明らかになっています。

見直しのコンセプトを掲げつくりだした闘い

各地方で出された意見・要求を集約し、部会・分科会と議論を巻き起こし、「設備21」の見直しを要求していくことを決定しました。
 具体的な業務のすみ分けは①一部をJR直轄設備に戻し、施工・保守・検査を行う②早期復旧体制(足ロス解消)を確立するため、派出・メンテナンスセンターの新設③全技術センターに教育グループを設置しエルダー社員を活用し技術継承できる体制を作る④全技術センターに安全グループの設置⑤各テーブル間の超勤格差の是正と必要な要員の確保、など5つ柱を決定し、申33号「設備部門におけるメンテナンス体制の再構築の改善に関する申し入れ」、申29号「設備部門におけるメンテナンス体制の再構築の見直しに関する申し入れ」を行いました。さらには、昨年 「安全・技術を継承し、働きがいのある工務職場を創ろう!6・6大集会」を開催し、職場の声をもとに「設備21」の見直しを求めていくことを決定しました。

職場の要求と会社案の乖離が明らかに

 1月15日に会社から出された「設備・電気部門におけるメンテナンス体制改善」提案では①若手社員へより確実に技術継承ができるように、教育担当者の配置、新入社員に対する研修の拡充 ②工事立会拡充や検査業務分担の一部変更③設備電子化に伴う検査内容の変更④パートナー会社との人事交流の推進⑤工事の簡素・平準化が示されました。
 本部は、申31号「設備・電気部門におけるメンテナンス体制改善に関する解明要求の申し入れ」、申4号「設備・電気部門におけるメンテナンス体制改善に関する解明要求(その2)の申し入れ」を提出し会社と議論しました。しかし、会社の認識は①「設備21」は一定の成果を上げている②保線の世代交代は順調③システムも改修を行い問題ない④要員を増やさなくても可能⑤足ロスの考え方に変更はないが見直しは首都圏が中心など、職場の要求と会社案の乖離が明らかになりました。
 こうした職場の現実と会社回答の矛盾を明らかにし 、安全・技術継承が担保できる職場をつくりだすため9月2日、申7号「設備・電気部門におけるメンテナンス体制改善に対する見直し要求の申し入れ」を行いました。そして、①法令遵守を全職場に徹底をさせる②「育成プラン7年間」を全系統で周知し実施できる体制を創る③全技術センターにエルダー社員の配置④設備管理システムの精度向上に向けて担当者を全技術センターに配置及び指定をする⑤全員がパートナー会社に出向をするキャリアパスは実施をしない⑥事務職にもエルダー社員を配置することを確認しました。
 しかし、系統ごとにはまだまだ課題が山積しています。各地方交渉が開始されたばかりですが、本部は10月19日、ゆずれない要求として申10号「組合員が求める安全と技術継承ができるメンテナンス体制実現に関する申し入れ」を再度行いました。

工務職場の未来を見据えて要求を実現しよう

 会社は、メンテナンス体制の再構築の総仕上げとして、首都圏と新幹線では早期復旧体制を導入しますが、地方やローカルは事後保全(異常が発生してから対応すること)とするなどを示しています。このような会社の考え方では、安全輸送や工務職場の技術継承は守れません。
 全組合員の皆さん!ゆずれない要求の実現のため再度立ち上がりましょう! そして、職場要求を練り上げ地方交渉で我々の要求を貫徹しましょう!未来を見据えて安全で技術継承ができる職場をつくりだしましょう!

組合員が求める安全と技術継承ができるメンテナンス体制実現に 関する申し入れについて

【共通】
1.会社の育成プラン7年間を各系統で遵守し技術力を向上させること。
2.競合作業把握システム定着に向けた必要な体制の整備を行うこと。
3.設備管理システムの精度向上に向けて早急に精度向上に向けた具体策、体制を確立すること。

【保線】
 4.分岐器検査の業務区分変更について若手が確実に経験できる体制とすること。
 5.軌道材料の業材化の定着に向けた必要な体制の整備を行うこと。

【土木】
 6.現場立会が確実にできる仕組みを確立すること。
 7.安全担当者を専任で配置すること。

【建築】
8.現場立会が確実にできる仕組みを確立すること。
9.安全担当者を専任で配置すること。

【建築】
10.現場立会が確実にできる仕組みを確立すること。

【電力】
11.現場立会が確実にできる仕組みを確立すること。
12.一部検査業務の拡充について若手が確実に実施できるようにするとともに一部個別検査を実施できるようにすること。

【信号】
13.現場立会が確実にできる仕組みを確立すること。
14.一部検査業務の拡充について若手が確実に実施できるようにすること。

【通信】
15.現場立会が確実にできる仕組みを確立すること。
16.一部検査業務の拡充について若手が確実に実施できるようにすること。

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