「抵抗とヒューマニズム」を基底に
仲間の命・雇用・生活を
全組合員の総力で守り抜こう!
6月12、13日、新潟地本の万全な準備のもと開催された第27回定期大会は、震災復興にむけ全12地本が一丸となって闘っていくことを確認し成功裏に閉会しました。
新潟地本での開催はじつに20年ぶりであり、とりわけ組織問題発生から再建した新潟地本の3年間の苦労が結実した心のこもった準備のもとでの大会の成功の意義は大きなものがあります。
また開催日程は一日短い期間となりましたが、38名の代議員から鉄道と地域の復興、原発事故、職場活動の規制、グリーンスタッフの正社員化問題、上告審勝利などJR東労組の課題に対し、活発な討論が展開されました。討論は、「仲間の思いを共有し共に行動する」という労働組合の原点を踏まえた12地本での闘う方向性を指し示した内容であり大会方針を豊富化することができました。
大会は経過・方針、予算・決算はじめすべての議題と「原子力依存のエネルギー政策を転換し、平和な社会と子どもたちの未来を守り抜く特別決議」と大会宣言を満場一致で承認し大会成功を確認し閉会しました。
東日本大震災からの復興を
「抵抗とヒューマニズム」を基底に据えた組合活動として
全地本の総力をあげ成し遂げよう!
千葉中央執行委員長あいさつ
第27回定期大会は、組織問題発生から大変な苦労をおかけした、稲垣委員長を先頭に新潟地本全組合員の準備で開催している。この組織的前進を確認し共に喜び合いたい。
◆鉄道の復旧を通した地域の復興を実現しよう!
3月11日の大震災・大津波で太平洋沿岸部を中心に甚大な被害をうけた。改めて犠牲となった皆様に哀悼の意を表し、被災された方々にお見舞い申し上げる。また勤務中に震災に遭遇し生命の危険にさらされながら、鉄道マンとしてやるべきことを的確におこない、奮闘された皆さんに敬意を表したい。
本部は、ただちに各地本と連携をし、組合員の安否確認と被災状況の把握に努め、13日には被災地へ物資搬送をおこなった。またJR総連傘下の単組からも支援していただいた。さらに全組合員によるカンパ活動、現在は釜石・東松島でのボランティア活動と、継続して取り組みを行ってきている。海外からの多くの激励やカンパをいただいた。集まった33,202,024円は被災された組合員に仲間の温かい心と共に渡していただきたい。
清野社長は「町づくりと一体となって沿岸7線区を復旧する」と記者会見で語った。被災地の勇気と希望につなげるためにもまず鉄道を復旧することの重要性を国や地方自治体に訴えていく必要がある。田城参議院議員は鉄道ネットワークの維持の重要性を決算委員会の場で訴え、政府の支援を要請した。これに応えた大畠国交大臣は「いのちを守る鉄道」と評価し支援を行うと答弁した。
被災線区の仲間たちは仕事がなくつらい状況下、地域ボランティアで復旧・復興の一翼を担っている。私たちがいま取り組んでいるボランティア活動は鉄道の復旧を通じて地域の復興を実現するため、組織的に取り組んでいる活動である。全組合員で確認し、多くの組合員で担っていこう。
◆労働組合の観点から「脱原発」を発信しよう!
福島第一原発事故はいまだ収束のめどがたたない。「混乱を避けるため」と情報をことさら小さく描きだし、的はずれな対策で被害を拡大した東電、政府、原子力安全保安院を許すことはできない。原発の「安全神話」は崩壊した。原発事故で常磐線の原ノ町駅周辺の現業機関は閉鎖され、職場に入ることさえもできない。不安のまっただ中におかれている。人災であるがゆえに怒りはさらに増す。いまも被曝の危険のなかで働く作業員がいることも忘れてはならない。「絶対安全」を掲げた「原子力村」の人たちにとって、原発事故被害にさらされる地域住民や労働者の命は推進のためのリスク程度にしか考えられていない。強い憤りを感じる。
連合は定中で「原発凍結」方針を決めた。JR総連はその方針を支持、さらに脱原発にむけた発言を行った。しかし他には2産別しか発言がない。ひとつは当該産別の「お詫びと協力要請」、もうひとつは「人手不足になるから作業員の被曝許容量を引き上げるべき」という、およそ労働組合として信じがたい発言であったと聞く。日本労働運動の深刻な状況を示すものであり、耳を疑うものだ。
JR東労組は、結成から25年原発問題への議論をしてこなかった。自戒の念をこめ、本部は「脱原発」の立場でエネルギー政策の転換を図るべきと考える。また原子力問題は核開発につながるものであり、平和の問題としてもとらえていかなければならない。
◆美世志会の無罪と職場復帰を勝ち取ろう!
浦和電車区事件は仕掛けられて8年半が経ち、上告して2年が経過する。支援する会、組合員や支援する会の最高裁要請行動はじつに97回を数えた。事件発生当初、「松川事件を上回る弾圧」と本質を喝破した後藤弁護士、三鷹事件の元被告であった清水さんは美世志会の無罪と職場復帰をみることなくお亡くなりになった。お二人の生涯をかけた闘いに学び社会正義のために闘っていこう。また44年かけ無罪をかちとった布川事件をみても日本の警察・検察・裁判所の問題は明らかだ。より広範な方々との連携を強化し美世志会の完全無罪と職場復帰を勝ち取っていこうではないか。
◆国鉄改革の原点を堅持し、風通しのいい職場風土を創ろう!
2011春闘は、震災の関係で交渉延期しながらも「定昇確保・夏季手当2・6ヶ月、55歳以上とグリーンスタッフに1万5千円の加算支給」という内容で妥結した。交渉を現場から支えていただいた皆さんに感謝申し上げる。グリーンスタッフの正社員化は国会議員、関係省庁等への働きかけなどで広く認識されつつある。さらに強化していく。
会社発足から25年が経過した。震災に際しては清野社長から直接「協力要請」を受けた。もちろん「安全確保を前提にして」ということだった。JR東労組は協力を約束した。そのスタンスはいささかも揺るがない。改めて言いたいことは「人間=社員を大事にする心をもった企業経営」「現場第一・現場から学ぶ」ことを基底に据えるべきということだ。「職場活動の規制」の一方的実施、便宜供与なども従来とは違った規制が、特に運車職場で顕著であることに注目している。
また会社と組合で合意してきた施策に対し、実施過程で組合を通さなくてもいいというような姿勢は改めるべきだ。労働組合は議論し合意してきた一方の当事者だ。会社に対しても組合員に対しても責任がある。「安全風土は職場風土」、この世界に誇る安全文化を継承していくためにも「国鉄改革の精神」に基づき、労使対等の立場で真摯に向き合うことが問われている。
JR東労組の基礎を築かれた松崎さん、さらに嶋田一味の逃亡と大弾圧のなか委員長を努められた角岸さんが亡くなられた。このすばらしき先輩がつくったJR東労組をさらに発展・強化していくため本大会をすばらしい大会に作り上げていただくことをお願いし挨拶とする。
来賓あいさつ
組織破壊をはね除けて大会を成功させた新潟地本の準備委員のみなさん