第25回「国際鉄道安全会議2015」へ参加!JR東日本労使が表彰される!
JR東日本労使で切り拓いた国際鉄道安全会議の意義を確認し合う!
10月4日~9日に第25回国際鉄道安全会議が南アフリカ共和国・ヨハネスブルグで開催され、24ヶ国から130名が参加し鉄道の安全について対策や教訓などが発表されました。JR東日本は、安全マネジメントシステムと列車接近アラームについてプレゼンテーションをおこない、JR東労組からは2つのプレゼンテーションを行ないました。
プレゼンテーション1
経験を基礎に現場を熟知した人材育成と
現地訓練の必要性について
仙台地本・菅原教宣部長がプレゼンテーションを行い、2011年3月11日に発生した東日本大震災から4年が経過してもいまだ復興には程遠い現実を訴えました。
そして東日本大震災での教訓はマニュアルではなく経験則に基づく現地判断で乗務員・乗客の死傷者をゼロへ導いたこと、その教訓を具体化するためにJR東労組は組合員105名を防災士として育成し、防災士が中心となり津波被害の沿岸地域などの現地踏査と現場に熟知した組合員への教育を行っていることなどを紹介しました。
特に現地踏査を行い『避難経路・避難場所の案内がない駅』や『会社マニュアルが指定する避難場所が「津波発生時利用不可」の箇所』、避難誘導の難しさや標識が統一されていないことなど、多くの問題点が浮き彫りとなりました。その事実を具体的に示すことで、日頃からの現地踏査や現地訓練の必要性とともに、転勤を通じた人材育成ではなく、線区を熟知した人材育成こそが「命を守る鉄道」の基本であることを現地と現場に立つ視点から提起しました。
プレゼンテーション2
失敗は発明の母であり
失敗から鉄道の安全を教訓化しよう!
東京地本・山中業務部長(写真右)と水戸地本・長嶋業務部長(写真左)がプレゼンテーションを行ない、2013年12月17日に発生した新幹線運転士が、走行中の新幹線の乗務員室ドアが駅停車直前で開いてしまうという事象を苦にして、自らの命を絶った事象を紹介しました。些細なミスを理由とした他職種への転勤、働きがいを喪失させかねない本人希望を無視した強制転勤が実施され、運転職場には不安と動揺が巻き起こっています。その現実を踏まえ、些細なミスや事故には直接的な原因とそれを誘発する背後要因が存在すること、繰り返されるミスや事故を防止するためには原因を究明し、適切な教育と再発防止のための対策が必要であることを訴えました。
また、鉄道の安全を守るためには厳罰主義ではなく、些細なミスや失敗はむしろ成功例として教訓化する職場風土を醸成することこそが必要であり、そのために、労働組合として働く側からの視点で安全文化を重視した職場風土の必要性を訴えました。
JR東労組の提起が世界の鉄道関係者の共感を得て
会議の意義を確認し合う!
JR東労組からの具体的なプレゼンテーションの反響として、「新幹線運転士の自殺からどのような教訓を学べたか教えてほしい」「長年管理職をやっていると、組合と対立することもあるが、日本の労使はお互いを補完しあうことが分かった」など各国から感想が述べられました。他の国がどのような視点で、どのような事象を重要と捉えているのかを学ぶことができたと共に、JR東日本の今後の運営や安全についてどうあるべきかを考える上で貴重な情報を得ることができました。
また、今回は国際鉄道安全会議が初めて開催されてから25回目の節目を迎えたことで、この会議をつくり出したJR東労組とJR東日本へ記念品が贈られました。「法律や国境、国や民間企業の壁を越えて世界の鉄道が抱える問題、その改善案や対策を議論し合える環境は素晴らしい」「国を越えて、鉄道の安全に大きなインパクトを与えている」という言葉をいただき、25年間創り上げてきた会議の意義を改めて参加者全員で確認することができました。
- 投稿日: 2015年10月15日 木曜日
- カテゴリー: お知らせ
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